葬儀を家族葬という形で行ったとしても、焼香などのことは変わりません。というのは、仏様関係の飾りというのは、香華灯飯(こうげとうはん)というしきたりに基づいて行うからです。
華はお供えする花、灯はろうそく、飯はお供えするご飯であり、最初の香はお香を焚くということで、これが焼香だからです。
仏教が日本に伝来したころとお香が伝わったころは一緒であり、仏様が住んでいらっしゃる浄土の何とも言えない良い香りを含んだそよ風がただよう様子を再現するものとして、また、香りは隅々まで行きわたり、仏様のご慈悲を讃えるものとされているからです。
焼香のマナーは宗派によっても若干の違いはありますが、おおよそはどの宗派でも共通しています。
お通夜や告別式で、順番に行うときは、台が出入りに支障がないところに置かれているので、喪主に一礼してからということになります。しかし、四十九日法要や一周忌法要になると、お経をあげてくださっているお坊さんの前の焼香台まで進むことがあります。
このときは、施主にだけ挨拶すればいいというわけに行きません。お坊さんにも一礼しなければなりませんし、法要に集まっている皆さんにも一例が必要になります。焼香の仕方そのものは同じですが、場面によって、気配りというマナーも必要になります。
かつてお世話になった方々や友人知人の葬儀に参列する場合、必ずせねばならぬのが焼香です。さまざまな流派があり、やり方も多々あるのですが、あまり緊張せずに故人との生前の関係を思い出しながら、「ありがとう、お疲れ様。」の気持ちをしっかりと伝えることが重要ではないでしょうか。
最低限のマナーとしては、自分の番になりましたら、焼香台前で祭壇にある個人の写真に一礼し、抹香を3本指でつまみ、1回から3回香炉に落とします。ご導師様、遺族、親族に向かって一礼し退出します。通夜ぶるまいの用意があれば、遠慮せずに席に着きます。そこで、思い出話などに花を咲かせることが最高の供養になると考えます。